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K-POPについてだらだらと妄言を綴りたい時に更新するブログです。

2019年1-2月、印象的だった15曲 2/4

2019年1-2月、印象的だった15曲 その1の続きです。

 #3 Z-girls - What You Waiting For

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このグループは元乃木坂の川村真洋さんが加入したことで注目されました。乃木坂はほぼわからないので存じ上げなかったのですが、この方凄まじい経歴をお持ちです。

小3からスクールでダンスと歌のレッスンを受け、14歳の時にハロプロのオーディションを受け数万人の応募者から唯一の合格者となります。

しかし3ヶ月後にハロプロアップフロント)をあっさり退所。アップフロントは現役アイドルさえ入りたがる名門事務所なのに...。この既にヤバいんですが、1年後に閃光ライオットに中3で出場。ファイナリスト手前の3次まで進みます。

閃光ライオットは未確認フェスティバルの前身で、当時は1万組ぐらいのバンドや個人が出場してました。3次に進めるのはそのうち60組ぐらいです。つまりそういうことです。

で、高1の夏に乃木坂1期のオーディションを受け合格。当然のようにデビューシングルの選抜メンバーとなり、しかもダンス七福神ダンスユニット)のセンターに抜擢。で、2011年から2018年まで乃木坂に在籍し、卒業後渡韓。そして1年未満で韓国でデビューが決定。

まさしく実力と度胸で道なき道を無双状態で切り拓いた半生な訳で、戦国時代に生まれてたら天下統一してたのではないのでしょうか彼女。普通の23歳とは次元が違う密度の人生を過ごしておられます。

Z-Girlsは彼女の存在だけでなく、韓国人メンバーがいないことで話題になりました。7人のメンバーの国籍はタイ・インド・インドネシア・フィリピン・ベトナム・台湾・日本です。なのでグループの共通語は英語らしく、歌詞も英語、デビューライブ的な場面でもMCが英語、しかもめっちゃ流暢だったのが印象的でした。

 

そんな多国籍なグループの登場で「韓国人のいないK-POPとは何ぞや」という問いを抱いたのですが、多分K-POPというのは「アイドルのフォーマットに無理矢理何でも詰め込むジャンル」なのだと思います。

そもそもK-POPのPOPって何ですかってことですが、大雑把に言うとポップミュージックはアンダーグラウンドで生まれた要素を取り入れることで進化してきた歴史があります。ジャズもロックもR&Bもヒップホップもそうです。

さらに超大雑把に説明するとJ-POPがアンダーグラウンド発の要素を取り入れるスピードが鈍ってしまった一方、K-POPは1990年代からずっと貪欲に様々な音楽を取り入れ、「アイドルとファン」というフォーマットは変えないまま音楽的にどんどん進化し、2018年頃には世界のポップミュージックの主な震源地の一つになるまでに至りました。なので、K-POPは国籍とかもはや関係ないひとつのジャンルになってる、ってのが個人的な見解です。

 

あともう一つ、DJ泡沫さんが何度か仰ってるように、「アニメやゲームのように、K-POPは世界中に巨大なファンダムが存在するジャンルのひとつ」になりました。

で、K-POPファンダムの人達は個別のグループだけなくシーン全体をウォッチしてます。なので、新人グループでも世界中のKポペン達が「このグループすごいで!!!」って騒げばデビュー曲が2~3日後にYouTubeで数百万回再生されることは全く珍しくないですし、iTunesのワールドチャートにランク入りすることも可能です。

でもこれは他のジャンル、例えばロックとかでは絶対にあり得ないことです。ヒップホップでごく稀にあるぐらいでしょうか?

K-POP関連のニュースに反応するおっちゃん達の良くあるコメントに「なぜ日本よりマーケットが小さい韓国に行くのか」ってやつがありますが、これが的外れなのは、いまK-POPが韓国だけでなく世界中に広がった巨大なファンダムを持つジャンルになっており、マーケットが世界、しかも猛烈な勢いで拡大しているからです。

なので世界中にK-POPアイドルを目指す男女がいますが、Z-Girlsはまさしくこの現状が具現化されたグループと言えます。

まだ爆発的人気!って状況ではないものの、いまYouTubeで再生回数を見ると400万回直前でいいね!が23万でした。再生回数を考えると23万回というのはかなり多いので、グループ各メンバー母国のファンから熱い支持があるのかもしれず、数年後に大化けしてるかも。Z-Boysも併せて注目してます。でもグループ名はもう少しカッコいいやつに変えた方が良いんじゃないかと思っています。

 

 

#4 WayV 威神V -理所当然 (Regular)

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曲自体はリパケな訳ですが、さすが大陸。顔面が強すぎる...。なんでしょう、K-POPの世界では中国系の練習生だけ特別な顔面選考バーがあったりするんでしょうか。

NCT127版のRegularでもそうだったんですが、MVでここまで顔面偏差値高い男子達が目まぐるしく切り替わると、男でストレートの自分でも「おお、圧がヤバいな...。」って思わざるを得ません。

で、3回ぐらいリピートして思ったのですが、もしかしてNCTってイケメンがてんこ盛りで登場するMV沢山作りたくて発明されたシステムなのではないかと。

「アルバムジャケットのデザインがしたくてアルバム作ってる」っていうミュージシャンもいるぐらいなので、ミンヒジン氏がそういうことを考えてもおかしくないのではないかと思います。

 

SMエンタってそういうとこあると思ってて。これとか何故上六なのかと。上六でMV撮りたかっただけなんちゃうんかと。でも上六よりも阪急梅田駅の方が断然良い*1のに。。

youtu.be

関西圏の人以外にはよくわからないと思いますが、気にせずこのローカルな話を続けると、私は奈良に実家があるんですが、大阪から奈良に帰る時に近鉄上本町の地下ホームで電車を待ってたら実は地上ホーム始発で乗り過ごしてしまい、やられたで!むかつくで!ってことが何度かあり、このMVを見る度にその悔しさが蘇ります(いま近鉄大阪線沿線の人以外には全く理解できない話をしています)。

 

すんごい脱線したので元に戻すと、SMとして中国に行きたいんだなと思う一方、行かせたメンバーが戻ってこなくなる現象は未だに解決できず、これをSMというかK-POP業界としてどう解決してくつもりなのかなと思います。

NCTのシステムがわかりにくいだとか等々の不満や批判があるのになお続けていくのは、この大陸から戻ってこない問題など、SMとして色々試したいことがあるのでしょう。SMって大手事務所の中では飛び抜けて実験的なことをやってるので。SMがWayVに何を託しているのかまだわからないのですが、しっかり見ておこうと思います。

 

ちなみに、個人的にはNCTのシステムってプデュ48みたいなオーディション番組でやってくれればみんな幸せになると思うんですよね。

produce48.github.io

↑これこれ!みんな去年これやってキャプチャして貼り付けてたじゃないですか。これが現実化されて、ユニットが沢山できるのがプデュで実現するの夢がある気がするんですけどね。

例えばプデュXのコンセプト評価ぐらいの段階で「デビュー枠を増やします!上位40位までをNCTシステムでデビューさせます!」って唐突にアナウンスしたりしたらK-POP業界がひっくり返るんじゃないでしょうか。誰かに5000兆円貰ったら絶対やりたいです。

 

#5 IZ*ONE - 好きと言わせたい

youtu.be

 

まず最初に断っておくとこの曲、印象に残りましたが好きとは到底言えません(プデュ48見てたのでIZ*ONEにはめちゃくちゃ思い入れがありますが)。

なので今から書くことは、残念ながら120%ディスです。

もともと48Gの提案するアイドル像に違和感を持ってたので、「IZ*ONEの日本活動曲はたぶん自分が聴くとがっかりするはず」と思って一切聴かないつもりでした。。

でも!!!!発売された週に渋谷のあたりをウロウロしてたら大音量で流れまくってるんですよ!!!派手なトラックから!!!しかも奴ら行ったり来たりして何度も遭遇するし!!(そういう仕事だから)

そういう経緯で仕方なく聴いてしまいました。ちなみにトラックが近づくたびに「あIZ*ONEだ!」って反応してる人たちが必ずいました。さすが俺達のIZ*ONE。

で、予想通りげんなりしたので「この曲が全く売れず秋元康が落ち込んだら良いのに」などと考えていたのですが、初日に20万枚近く売れて堂々のオリコン首位を獲得しており呆然としました。

あと、キスマイのファンの方に申し訳ない気持ちになったりしてました。。「茶封筒の日」というグループにとって大切な日*2が近いのに、連続1位をこの曲で邪魔してしまうなんて。。と。

でも初日の首位を奪われた危機感で団結したファンの力で見事に巻き返したキスマイは、その後は全くIZ*ONEを寄せ付けず週間でも見事1位を獲得。心からおめでとうございますを送りました。

さて、48G風味のこの曲が何故好きになれないのか、ですが。

「J-POPメインストリームのアップデートの無さ」が感じられるところが嫌です。

これは48Gだけではないのですが、アイドルに対するジェンダー観が全然アップデートされてないのは生理的なレベルで受け入れ難いです。未だにMVで水着を着せたりとか、手ブラとかのセミヌードもある写真集を売ったりするのとか意味わからないです。

トラックのアレンジも古臭さしか感じません。コーラスワークが基本ユニゾンの合唱だし、ギターやシンセの音色とか使い方とか、各パートのバランス(ミックスダウン的な意味で)とか、本当に21世紀なのかと感じます。

別に古いことが悪いという訳ではないです。YUKIKAのNEONみたいに、当時の空気感をリスペクトした上で、現在もフィットするようスタイリッシュに磨いたものを提示するのはすごく素敵です。

でも、48Gの古さは「素敵なものが時代を超える」ではなく、単にアップデートできず、時代とのズレを認識せず自ら古臭くなっているように思えます。ただ48Gのファンは中高年の男性比率が高いので、そうしたファンの嗜好に合わせる必要はあるのかもしれません。

とは言え、ファンの間からも曲に対するネガティブな評価は少なからずあるようなので、ファンに合わせてるというより「アイドルだからこんなもんでいいでしょ」「新しい試みや冒険なんてしなくていいだろう」「別に歌やダンスのトレーニングもいらない」等々のただの運営側の怠慢だとか、アイドルとそのファンに対するリスペクトが欠如してるんじゃなのかとすら思ってます。

この曲でもIZ*ONEのメンバーの個性や能力に対するリスペクトはなく、どういうグループなのかもあまり理解せず、48Gの古臭いフォーマットへ無理やり型に嵌め込んで来たようにしか思えませんでした。「俺達のIZ*ONEに何してくれてんねん」が率直な感想です。

ディスが止まらなくなりますが、そもそも還暦過ぎて時代からすっかりズレてる歌詞を書くお爺ちゃんが、未だに先生として崇め奉られるのもどうかなと思ってます。

翻ってK-POPの世界だと、例えばGroovyRoomの2人なんかは23歳ぐらいで第一線に立ってバリバリやっててまだ26,7歳ぐらいですし、ベテランとされるシンサホドレイあたりでもまだ30代です。アイドル自身が良い曲を書くことも、もはや全然珍しくないし。

この背景にはK-POPの競争が激しいため新陳代謝も凄まじいことがあり、特に作曲側はグローバルな競争に晒されるので長く生き残れず平均年齢が若い、という残酷な側面はあったりします。ただ新しい才能が次々と登場し、シーンを活性化させてることは全体で見ると健全です。日本で一般的な知名度もありそれなりの大物と仕事ができるunder35のプロデューサーって...tofubeatsぐらい?他おられるかもしれませんが、韓国と比べると相当に限定されるはずです。

そういう新しい才能がどんどんシーンに登場して活躍してるK-POPと比べて、J-POPのメインストリームはマジで全然変わらないし、そこに危機感持たずに「日本はガラパゴスだから」とかおっちゃん達が暢気に言ってる間にどんどん世界から取り残されてしまってるんだよな、っていう怒りとか諦めが自分にとってK-POPを聴いてる原動力のひとつであることを再認識させられてしまいました。

また再認識と言えばIZ*ONEってやっぱ48Gの派生グループなんだよなーって感じてしまったこともあり、さらにNGTの事件もあって残念ながらIZ*ONEへのテンションは個人的に下がってしまいました。。

 

ただ、AKS側が保守的になる背景は理解はできます。例えばIZ*ONEにとって日本デビュー1曲目なので絶対に失敗できない曲だったはずですし、しかも他の48Gや坂道Gと比肩できる程度に売れることが求められていたでしょうし。

でも、同じく失敗が許されなかったであろう少女時代は日本オリジナルアルバムが本国アルバムを凌駕するクオリティー、しかも大変売れてたので、次からはIZ*ONEも日本でもっと冒険してよ、あのセンター分け爺さんじゃなく、STYあたりを起用しようぜ、とか思ったりします。AKSなので全く期待できないですが!

 

ちなみに、もしIZ*ONEの活動期間がI.O.Iと同じなら今年の7月に解散なんですよね。短すぎる...。IZ*ONEよりも先にAKSが解散し、48・坂道各グループがちゃんとした会社に引き取られて健全に運営され、イコラブ*3が天下を取っていることを心から祈っています。みなさんも一緒に祈ってください。

 

 

と、ここまでで5曲分書いてきました。長くて読むのが辛いかもしれませんが、書いてる方はその5000倍ぐらい辛いです。6曲目以降はもう少しタイトにしていきます。。

 

(4/4追記:6曲目以降を書きました!)

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*1:阪急梅田駅は幕張メッセ並みにだだっ広いホームにピカピカの列車が滑り込んでくる壮観な光景が楽しめる駅です。大阪に立ち寄ることがあればぜひ体感してみてください

*2:グループのCDデビューが決まった日だそうです

*3:重度のハロオタである指原莉乃がプロデュースしたアイドルです。K-POP聴いてる人に耳に合うかどうかはわかりませんが、アイドルへのリスペクトがあって良いグループだと思います。