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K-POPについてだらだらと妄言を綴りたい時に更新するブログです。

2019年1-2月、印象的だった15曲 1/4

1月に 2018年、印象的だった15曲(1/3) を公開したところ、予想外にアクセスがあったのと「毎週大ニュースが起きて良い曲もリリースされまくるK-POPで1年に20曲ぐらいしか選べないの無理ゲー過ぎる」って思ったので2か月に1回ペースで書くことを密かに決意してました。

 で、3月になったらすぐに書くつもりだったのですが、3月に生まれて初めての確定申告というやつをやりまして、これが結構面倒臭く、瞬く間に3月中旬を過ぎてしまい、やっぱり1-3月分をまとめて書くことにしようかなーという弱気な自分を鞭打って1-2月分を書くことにしてます。ちなみに今0:52です。明日は月曜日。よし頑張るぞ。

 そういう感じでこの1-2月に印象的に残った15曲のことを述べていきます。曲についてほとんど言及してなかったりするものもあったりしますが、1曲を除いて全部好きな曲です。

曲順は思い出した順なので曲の評価順ではないのですが、先に思い出したってことはそれだけ印象に強く残るってことなので、結果的に評価順になってるかもしれません。

ということでダラダラと書きます。120字程度でまとめられないことを垂れ流していくためのこのブログなので。ではいきます!

 

#1 LOONA - Butterfly

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ソロ・ユニット含めてLOONAというグループには既に60曲を超える持ち歌がありますが、この曲が現時点の最高傑作と断言します。将来的にもグループを代表する曲のひとつになるでしょう。曲・MV・パフォーマンスのすべてがK-POPネクストレベルを提示するものであり震えました。改めてSTAN LOONA!

まず曲について。ドロップ(=サビ)のところでボーカルが入らない意外な展開がまず印象的ですが、個人的に唸ったのはボーカルの扱い方で、とにかく柔らかく繊細に処理してるのがすげえなと思いました(意味わからない人も多いと思いますが、アルバムの他のLOONAの曲と聴き比べてみてください)。

シンプルなトラックですが、ミキシングに半端ない時間と情熱が傾けられたことが伺えます。そのためか、「普段K-POP聴かないけど音楽自体はめっちゃ聴いてる皆様」からのリアクションが熱かったです。なおこのミキシングのあたりに興味がある方は以下のインタビューを読むと理解が深まります。ややマニアックでDTMとかやってないと理解できない部分がありますが非常に興味深いです。

次にMVですが、soompiの"LOONA Leaves Fans In Awe Over Stunning Butterfly MV And Its Messages Of Empowerment And Diversity"という記事の見出しが全てを物語ってます。K-POPからこうしたメッセージが発信されるのは素晴らしいなと思いますし、Orbit的にはとても誇らしいです。

最初見た時にビヨンセの"Run the world"とか"Single Ladies"とかを連想してしまったのですが、"Who run the world? Girls!"みたいな豪速球ではなく、ソフトだけど遥か遠くを見るようなメッセージをMVと歌詞のセットで伝えてくるのがLOONAっぽいです。

このMVにはLOONAのメンバー以外で沢山のモデルさんが出演してますが、MV公開直後に「この人が出てる!」と話題になってたので、わかる範囲で以下にインスタのリンク貼っておきます。

ちなみに最後のeloiseさんはちょくちょく日本に来てるみたいで、撮影場所が駒沢公園の写真があったりします。

っていうか、この人を渋谷のTGI FRIDAYSの近くで見かけた気がするんですよね。 この写真 とほぼ同じ格好で、どう見てもプロのモデルでしょっていう白人女子が3人ぐらいで歩いてたんですが、オーラと圧がヤバかったので覚えてました。ってただの自慢ですねすいません。

 

最後にパフォーマンスですが、まだ見てないならぜひ1回見てください!ダブルベース・サイ・スタンド(チアの技)とかも入ってきたりします。

youtu.be

練習動画見るとバミリを横だけじゃなく縦にも貼ってます。K-POPでここまできっちりバミリ貼るのはなかなか無いんじゃないでしょうか(普通バミリ自体貼らない)。。それだけ難しいってことなんだと思います。

youtu.be

 

ダンサーから見ても評価は高いようです。K-POPのリアクション動画をやってる人達は大勢いるのですが、その中でも特にダンスが本職であるこの3人が揃って大絶賛してるので間違いないでしょう。

 

youtu.be

 

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ただこの振付、単に複雑なだけじゃなく蝶の一生を表現したものと言われてるんですよね。誕生→幼虫(芋虫)→さなぎ→蝶っていう。これを知った時、鳥肌が立ちました。

 

そんな感じで完璧なカムバ曲であり、iTunesチャートでは確か26ヵ国でNo.1を獲得、というかあのアリアナ・グランデを抑えてグローバルでNo.1になってたみたいです。*1

kworb.net

しかし肝心の韓国の音源チャートでは、過去最高位は更新したものの各チャートでTOP5へ食い込むには至らず、期待されたTHE SHOWでの初勝利もなりませんでした。プロデューサーのビョンギ師匠としてもこの曲で初勝利を獲得する気満々だったようで、インスタに謝罪コメントを出したりしてます。

そうなると心配なのは制作陣に対するプレッシャーです。LOONAはその誕生にあたり巨額の資金を日本含む3ヵ国から調達してるので、成果が出ないと出資者から「早く成果出せ!出ないなら解散やで」となったりクリエイティブに影響が出たりしてしまう可能性があります。個人的にはこれが最も恐ろしく、bbcにもそれなりにプレッシャーはあるのだろうと思います。

ただ、メンバーからは長期的にトップを目指すような声が聞こえてきますし、それはつまりbbcのスタッフがメンバーへそのように話してるってことだと思うので安心はしてます。ただ最近LOONA TVの字幕が無かったりするので、コスト削減等の影響は出てるのかもしれません。

 

でも、目下のところ心配なのはイルデですよねー。公式発表は一切無いのですが、いろいろなところからダダ洩れしており、それらを総合すると今年の6月頃にユニバーサル経由でイルデするようです。

イルデについては後で色々書くつもりですが、多くのグループで基本的にがっかりな方向性を伴うことが多く日本中のOrbitが心配してます。でも、ここまでクリエイティブに力を入れてきたLOONAがそう安易に方向性を変えることは無いはず。

と、最初はbbcを信じていたのですが、  「野獣アイドルとして売り出してた2PMを、日本に合わないからと爽やか路線アイドルで売り出し、今ではグループの黒歴史だったとまで語られるイメージチェンジを指揮した元JYPの人って誰だっけ????」って考えると震えが止まりません。ああ神様。。。

 

長々と書きましたが最後にひとつだけ。LOONAとして実はこの曲をデビュー曲にする案があったのではないかと思ってます。

Hi Highはキャッチーで良い曲だと思うんですが、それまでのLoona the worldの延長線上にあることが感じられなかったんですよね。なんか唐突にオリビアの伏線回収してきやがったな、もっとこじれた設定をくれよって感じてました。

この点ではButterflyの方が断然フィット感がありますし、グループとしても本気度が感じられたのでこちらでデビューしてた方が自然な気がしてます。

でもButterflyやった後でハーイハーイハーイハーイハーイハーイハーーイ!ハーイ(以下200回ぐらい続く)ってやりづらいと思うので、グループの表現の幅を広げるために敢えてHi Highでデビューさせたのかなと。この辺ぜひビョンギ氏本人から聞いてみたいところ。彼とのハイタッチ会やってくれるなら積みたいです。

ということでOrbit以外には伝わりづらい箇所が沢山ありますが以上です。

 

 

#2 YUKIKA - NEON

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まず、YUKIKAがものすごく可愛いです。もちろんビジュアルが良いんですが、それだけじゃなくて圧倒的に「可愛い」のオーラが溢れまくってるんですよね。

 twitterで動画つけてツイートしたらすごい勢いでリツイートされ、かつ沢山メンションもいただいたので、みんな語らずにいられないぐらいの可愛さがあったってことなんだと思います。

 この曲で、YUKIKAはステージごとにがらっと衣装を変えてるんですが、いずれも80-90年代のアイドルをメイク以外かなり忠実に再現してます。

 

 

当時のアイドルのことは詳しくないのですが、たぶん森高千里とかWinkあたりを意識してるはず。しかも衣装だけでなく、髪型とか上半身中心の振り付けとかマイクの持ち方とか、強烈に当時の日本のアイドルのそれです。

でも古臭さはなくて可愛い。しかもすごいのが、ここまでやってるのにコスプレっぽさも全然無く、YUKIKA自身が完璧に自分のものにしてることで。「30年以上前の日本のアイドル」って相当にドメスティックで限定されたスタイルだと思うんですが、それを現代でも通用させてるのは間違いなく彼女の魅力のお陰だと思います。

また、YUKIKAのステージについてメンションをいただいた方が「可愛いは巡る」って表現をされていたのですが、とても素敵な言葉で印象的でした。アイドルがアイドルでいてくれる時間は長くないけど、アイドルの輝きは時間も国境も超えて、その時代ごとの女の子達に受け継がれて巡っていくのだなと考えたりして、少しウルっときてしまいました。

  

さて「時間も国境も超えて」ってことだとこの曲自体もそうです。シティポップっていうのは主に80年代の日本で流行ったジャンルですが、この時代は日本が景気良かったこともあり音楽業界が湯水のようにお金を使えてたらしく、クオリティーの高い都会的な曲がバンバン作られました。

 例えばこれは杏里(Anri)という人のライブなんですが、ベースがちょっとヤバすぎるのでベーシストはみんな聴いたらいいと思います。

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またこれは吉田美奈子という人ですが、彼女もクオリティーが高すぎるので海外のハウスDJが普通に流してるのをBoilerRoomあたりでたまに見ます。というか彼女は"Minako"で普通に通じるぐらい愛されてます。

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 前置きが長くなりましたが、YUKIKAのNEONをプロデュースしたESTi氏は日本オタクな人で、日本の音楽だけでなくゲームやアニメにも精通してて日本語もネイティブクラスな方です。

ただ彼が高校~大学ぐらいの時って日本の情報を韓国で入手するのはとても大変だったそうです。というのは、今では信じられないかもしれませんが1998年まで韓国政府が日本文化の流入を制限していたからです(その背景にある歴史はぜひ学んでおいてください)。

1998年以降、段階的に制限は解除されていきますが、当時の韓国で日本文化に触れるには海賊版等の非公式なルートをこっそり頼るのがメインだったようです。

そういう、オタとしてはハードな状況でも日本文化を愛してくれた人が、十数年後に韓国で自分が愛した音楽を蘇らせた、というのがこのNEONです。

そして、実はシティポップ自体、フィル・スペクターなどの欧米のミュージシャンに憧れた日本人が作ったジャンルであるという経緯があります。日本では文化の流入制限はなかったものの、確かアルバム1枚が今の物価で7,000円ぐらいしてたはずなのでやはり大変だったはず。

つまり、欧米のミュージシャンに憧れた日本人がシティポップを作り、シティポップを聴いていた韓国の若者が十数年後にプロデューサーとしてシティポップを蘇らせた状況です。「好き」という想いが時間も国境を軽々と越えていった構図が巡り巡っている訳で、「好き」の強い力を改めて感じて、個人的にとても感動しました。

 

ちなみに、近年の韓国でシティポップが聴かれる背景にはVaporWave/FutureFunkというジャンルの盛り上がりも関係しています。

 このジャンルは「主に日本のシティポップをアレンジし、怪しい日本語がついてて日本のアニメやドラマやCMの映像を適当にリピートする」のが特徴です*2。以下の3つが特に有名ですが、探せばもっと怪しい奴が死ぬほどあります(興味がある人はArtzie MusicというチャンネルをYouTubeでフォローしてください)。

 

 

去年の話題になったYubinの「淑女」なんかはVaporWaveです。というか当初NightTempoというこの界隈の有名人にJYPはオーダーしようとしてました。

 

LOONAのVaporWave風のやつも挙げておきます。マニアック過ぎてOrbitですらあまり聴かない曲ですが、案外悪くないです。でも最初は私もドン引きしました。


ということで、ここまで書いて疲れたのでいったん区切り、3曲目以降は次のエントリーに譲ります。ブログ書くためにプライベートな時間がごっそり無くなりそうなので次からは短めに書きたい。。

 

と思っていましたが、書いてみたらあまり変わりませんでした↓

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*1:iTunesのチャートは集計時間による変動が激しいので2位だったという話もあります。たぶんどちらも正しいです。

*2:ただVaporWave内でもジャンルが細分化してたりするので、例に挙げたリサフランクなどのようなものもあります。というかVaporwaveの源流はどちらかと言えばこちらです。