2018年、印象的だった15曲(2/3)
2018年、印象的だった15曲(1/3) の続きです。
#6 PRISTIN V - Get It
PRISTIN Vのこの曲はMVとトラックが面白くてかなり好きです。MVについてはPD氏の解説がプロい*1のでそちらに詳細は譲りますが、色や小道具の使い方が上手くて、テニスコートとかソファーとかしか出てきてないのに全体的に怪しげで、万人向けではない中毒性があります。個人的には、同様に何故か不気味で仕方ないタイダラーのこのMV*2を何故か思い出しました。
ちなみにユニット名の最後にあるVとはVillainの略で、これは「悪役」という意味です。確かにこのMVの5人はすんごい悪そうで強いです。
あとトラック。最初聴いたときに思ったのが年代不詳過ぎるということでした。最初は太いシンセベースがゼロ年代っぽいんですが、そのうちシンセの音色的に90年代前半っぽくなったかと思いきや、90年代後半に流行った「チキチキベース」が入ってきたり、時空が歪んでる感じが面白いです。
ということでね!!Pledisはやればできるんだから!!!一刻も早くPRISTINをカムバさせて!!!!キリンズもデビューさせて!!!!!
#7 PRODUCE48 - Pick me(Nekkoya)
PRODUCE48は拒絶の嵐の中でスタートしました。Kポペン側は「ずっとトレーニングで頑張ってる韓国の練習生達の中にAKBの子たちが入ってくるのは許せない」という反応が大半というか全てであり、一方の48Gオタ側は全く無関心か「海外なんて行かなくていいよ」か、いわゆるネトウヨ的な反応かのいずれかでした。
しかし、当事者たるアイドル(とその卵)達のパフォーマンスが、それらの声を全てねじ伏せ、熱狂に変えていきました。この展開を思い出す度に胸が熱くなりますし、パフォーマンスの力、そしてアイドルの力を再確認させてくれます。
このNekkoyaが初めてお披露目されたのは5/10のMカで、「正直どうかと思うけど、でもとにかく観とかないといけない」と思って待機してたのが懐かしいです。当時は宮脇咲良の圧倒的なセンター感だけが印象に残りました。
でも、今見ると...。5/10に見た時にはほぼ全員を知らなかったのに、「あ!この子がいる!」「あの子もいる!」ってなる訳じゃないですかワンカットごとに。「カウン!」とか「ナヨン!」とか「コユジン!」とか。しかもここに至るまでのストーリーを知ってしまった訳じゃないですか。
もうね、そら泣くでしょ。イントロの"I promise, I promise, I promise"だけで涙腺が反応する人が世界に5,000万人ぐらいいると予想されます。この曲がこんなに号泣ソングになるとは想像できませんでした。
#8 Twice - Dance The Night Away
前のエントリーでしばらくK-POPを聴いてない時期があったと書きましたが、そういう自分をK-POPに引き戻したのがTwiceでした。2017年のイルデ前ぐらいの時期に「久しぶりにK-POP掘ってみるか」と思って偶然TTを聴き、「今のK-POPってこんなにヤバいとこまで進化したのか」と衝撃を受け、再びK-POPを掘ってたところキムリプのEclipseという、とてもヤバい曲に出会ってしまい、そこから再びK-POP(主にLOONA)にのめり込んでいった次第です。
なのでONCEと言えるほど熱心ではないですが、Twiceには思い入れがあります。でも2018年にリリースされたtwiceの曲については、悪くないけどLikeyやSignalあたりと比べるとポップ過ぎてあまり刺さってこないなと感じてました。
ただこの曲は別で、刺さりまくってました性癖に。この極限まで音数を絞ったタイトなトラックにグサグサっとやられました。とても良いです。ダンスミュージック業界では「大箱映え」といって、大きなクラブやコンサート会場で流れるとカッコよく聞こえる曲を指す表現がありますが、まさしく大箱映えのお手本のようなトラックであり構成の曲です。JYPとしても絶対それを狙って作ったはず。
この曲がリリースされたのは夏に入ったばかりの7/9でしたが、Twiceがこんな曲を出してきたので「今年の夏の1曲」がもう確定したなと感じました。おそらく2018年の夏はアジア各地の繁華街やプールや海水浴場でこの曲が流れまくり、多くの人にとって「あの夏を思い出す」1曲となったはずです。たぶん10年後に聴いても「あの夏」を思い出させてくれるでしょう。
そういう、ポップミュージックが持つタイムカプセル的な役割を強く感じた曲でした。
なお今年の夏はガッセのJBが参加した以下の曲を含む、deepshowerのアルバム(COLORS)もよく聴いてました。アルバム全編を通じた、ひんやりとした感触が夏の夜っぽくて良いです。
Deepshower ft. JB - Higher
あとDIAが初勝利を飾ることになったこの曲も夏の曲としてよく聴きました。定番のGhost Town DJ'sの"My Boo" ネタ使いがGood。
DIA - WooWoo
そういえばこの曲も...。
Seventeen - Oh My!
セブチのこの曲、フワフワっとしたトラックとスローモーションを効果的に取り入れたMVが相互に絡み合い、夏の夜特有の空気感をよく表現していてとても好きです。夏の合宿とかキャンプとかのお泊り系のイベントを思い出させてくれます。
ちなみにわたくしの2018年の夏ですが、家でずーっとプログラムを書き、合間にカレーやサラダを作ったりコーヒー淹れたり自転車に乗ったりtwitterしたりし、毎週金曜にプデュを見て深夜まで盛り上がって土曜の昼頃起きるのがルーチン、みたいなリア充とは対極の日々を過ごしていました...。
#9 GWSN - Puzzle Moon
ちょっと待って?少女増えすぎちゃう?今月vs宇宙vs公園やん!とオービット的に心中穏やかでなかった公園少女ですが、デビューにあたってこんなにヤバいスルメ曲を投入してくるとは思いませんでした。
すごく派手とかキャッチーとかじゃないんですが、何度か聴いてるともっとリピートしたくなる不思議な曲、しかもデビュー曲としてはまさかのハウス。多くの人にPerfumeのSpending all my timeを連想させたMVも含め、「公園少女」というグループのポジショニングを、他のどのグループとも被らない位置でスタートすることに成功したんじゃないかなと思います。2018年のベスト○○的なツイートやブログでも頻繁に挙げられてました。
ちなみにこの曲、コーラスワークがすごく好きなのですが、曲の制作に関わった"Stupid Squad"というチームのことが気になってます。他に関わった曲の情報等あればおしえてください!
1/14 追記:
えりかさんが速攻(20分ぐらい)で教えてくださいました!ありがとうございます!
チーム名だとnaver musicでさえも出てきませんが個人の名前だと出てきました!https://t.co/kjFf3TRqkg pic.twitter.com/63kgxlLbol
— e_e_li_c_a (@e_e_li_c_a) January 12, 2019
Stupid Squadはインスタのアカウント持ってて、メンバー それぞれのアカウントへのリンクも用意されてました。6名のチームで男性3人、女性2人、不明な人がひとり、という状況です。みんなめっちゃ若いです。詳細わからないのですが、大学生か大学卒業したぐらい?ただ、あのGroovyRoomも23歳ぐらいで既に最前線でバリバリ仕事してたので珍しくは無いです。
こちらがチームのリーダーと思われるMaynine名義でのディスコグラフィーです。
Puzzle Moonみたいなハウス周辺のダンスミュージックが得意な人だと想像してたんですが、Killagramzの曲をいっぱい書いてるんですよ。意外過ぎてびっくり。KilllagramzはSMTM6の出場者で、120kgぐらいありそうな巨漢ラッパーです。SMTM見てないのであんまり詳しくないのですが、Hash Swanをfeat.した以下の曲で名前は知ってました。
Killagramz - Coloring(Feat. Hash Swan)
Stupidsquadとしての仕事は他にOSTがあるぐらいみたいなので、デビュー曲という非常に大事な仕事を、あまり実績はないチームを選んで任せたってことです!!!これにはすごく驚きました。楽曲が良いか、チームの才能を見込んだからStupidsquadが選ばれたってことなので。
だって、アイドルのデビューってめちゃくちゃお金がかかるんですよ。下手したら社運を賭けることになるし。そういう状況って、日本の会社なら「ここは実績がある〇〇さんにお任せしよう」みたいな無難な路線を絶対選ぶと思うのですが、GWSN運営チームはそんな安直なことをせず良い楽曲だから採用した、ってことなんじゃないんでしょうか。またそれができるのは社内に目利きがいる証拠で、プロデューサー(A&R)がしっかり音楽のことを知ってるからなのだと思われます。いずれにせよ羨ましい話です。
#10 gugudan - The Boots
毎日事件が起こるK-POPワールドに浸りきってると半年以上前はすっかり忘れてしまいそうになりますが、みなさまこの曲のことは思い出してください!
この曲はトラックがよく作られています。印象的なのは全編を通じて流れるホイッスル(口笛)ですが、それを支えるシンセベースや次々とパターンが変化していくドラムなど、聴くたびに発見がありとても面白いし好きです。
あとカンミナがさらに美人度増してて惚れ惚れします。KCONで日本に来た時、イントロで一人スポットライトを浴びて踊る彼女がすごくカッコよかったのですが、そもそもこの曲がライブ映えする曲で、しかもgugudanにこの路線が異様に嵌まってるので素晴らしいパフォーマンスでした。
MVに話を戻すと、曲のスタート直後にメンバーが横一線にキャットウォークしてますが、このシーンみたいな「背景に映像を流し、前でダンスしてるところを撮影する」って演出は一歩違うとものすごく安っぽく見えてしまいます。でもギリギリのところでカッコいい側に持っていってるのはすごいしgugudanの実力もあるんだろうなと感じました。
現在のヨジャグル勢力図を見ると、LOONAや(G)I-DLEやIZ*ONEやGWSNやfromis_9などなど強力なグループがデビューし、しかも2019年もChelly BulletやFANATICS、JYP新グループなど、引き続き強いライバルが次々と登場します。さらにソミもデビューする可能性が高いです。そうした2019年にgugudanがどんな一手を放つのか楽しみにしています。
次のエントリーに続きます。