2019年5-6月、印象的だった10曲 (1/3)
5-6月の印象的だった10曲です。なんとか7月中に書き終えることができてホッとしてます。いつものことですが順番は印象が強かった順で曲の評価はあまり関係ありません。
#1 nct127 - Superhuman
最近のイリチルの勢いがすごいですよね。
正直なところ、昨年まではそこまで興味持って追いかけてなかったのですが、最近の勢いが凄くて俄然注目してます。
きっかけとなったのは埼アリのツアーファイナルをAbemaで見たことで、最初は全部観るつもりはなかったのですがつい引き込まれて全部観てました。さすがSM、世界観の作り込みがすごい…。
ただ、彼らはこの埼アリ含めて10カ国・26都市・37公演という果てしなく長いツアーもやってます。Wikipediaにこれらをまとめたものがあるんですが、5月とか3日おきぐらいのペースでライブやってて驚きました。 en.wikipedia.org
たぶん、月曜が移動日、火曜リハ、水曜ライブ本番、木曜また移動日で金曜リハ、みたいなのをずーっと繰り返してたのだと思いますが、これアイドルじゃなくてアメリカのインディーズのバンドのスケジュールですよね…。しかもバンドと違って会場に合わせたダンスその他諸々のリハが必要なので、関係者全員にとって相当キツいツアーだったはずです。
しかもツアーの合間にテレビに出演したりフェスに出たり曲も出したり。SMエンタ働かせ過ぎかと。その仕事量、f(x)に少し分配してみません?と心底思います。
このハードなツアーの中でSummer Kick Off Concertっていうサンディエゴで開催されたフェスに出てます。このフェスのメンツが面白くって、ZEDDとかCNCOといった面子の中にイリチルが入ってるの、なんか次元が歪んでて「おう…」っていう声が出ました。
2019 Channel 93.3 Summer Kick Off Concert in San Diego | Channel 933
特にCNCOはオーディション番組から結成された南米版X1みたいなグループなので、そういうグループとK-POPのアイドルが同じ空間でライブをやり、また両方見てる人がいるだろうことがとても興味深いです。
ってことで、実際にはどんな感じだったのかなと思って動画を探して見てみたのですが、各グループが登場時の動画を見ると、なんと明らかにNCT 127の方が盛り上がってるんですよね。 サンディエゴって歴史的に南米系の人たちの方が多い土地なはずで、CNCOの方が圧倒的に人気だろうと予想してたので意外オブ意外でした。
ちなみに両グループの動画を見て思ったのですが、CNCOのファンってペンラ文化が無いんですよね。1Dあたりのライブでもそうですし、中国のアイドルのライブでもペンラ使ってなかったので、ペンラ文化ってアジアの極東地域限定のものなのかもしれません。
なおペンラ文化は日本発祥です。西城秀樹さんが亡くなった時に話題になりました。ペンラ/サイリウムカルチャーの歴史はこちらにわかりやすくまとまってるので、興味がある方は読んでみてください。
さて、前置きがめっっちゃ長くなりましたが、この曲はめちゃくちゃカッコよくて一気に耳を奪われました。開始1.5秒ぐらいで「アンセム!!!」って感じがしますし、サビのところへ持っていく流れも完璧だと思います。あの亀田誠治先生がサビの3大要素として挙げた「高い音(最高音)」「長く伸びる音」「リフレイン」」へ完璧に合致する構成です。
またトラックも面白くて、よく聴くとサウンドのほとんどがシンセサイザー一本で作れる系の音(シンセサイザーで音を作った人じゃないとわからない表現)で、それらを複雑に重ねてトラックの重みを作ってて巧いなと唸りました。これシンセおじさんはみんな聴いたらいいと思います。これぞ職人の仕事。大箱で聴いてみたいです。
ちなみに、この曲に携わったのはAdrian Mcknnon大先生&1Take&TAKというSMではお馴染みの「そらええ曲できるわ」チームの皆様です。そらええ曲できるわ。
イリチルってどちらかと言えば「一般受け!」みたいな感じの曲のグループじゃないと思うんですが、この曲はエッジを損なわずにメインストリームを獲りに来た感があります。
バンドなんかで、ある一定の知名度を超えるとそこから一気にファンダムが広がる現象ありますが、イリチルはまさしくその段階にあり、これからもう一段階上のレベルに向けてブレイクする状況にある気がしてます。しかも日本だけではなく世界的に。乗るしかないビッグウェーブが来てるのかもしれません。
そういえば今年のサマソニ(ミッドナイトソニック)にイリチル来るんですよね。MGMTとnct127とセカオワ….。さっきのサンディエゴのフェス以上に客層がカオスでどんな感じか全然想像できないですよね。
これ、たぶんイリチルのステージは前列争いが激しくて怪我人が出そうなレベルになると思います。前の方で見ようと思ってる人はくれぐれも気をつけてください。ヒールとか履いてると脱げて危ないので、スニーカー以外禁止で。
#2 RedVelvet - Zimzalabim
youtu.be この曲、冒頭で“Are you ready for this??”ってウェンディに質問されますが、”No!”って言いたいです。こんなん全然準備できんわ!
ということで、2019年6月19日のTLは「なんすかこの曲!!」が溢れてました。しかもこの日、「この曲!!!」は1曲だけではありませんでした。
もう1曲が何かは皆様すでにご存知だとは思いますが、とりあえず先にこちらを取り上げます。
個人的には、最初聴いたときこれ何かの間違いでは?って焦りました。低音が効き過ぎてるからです。思わずヘッドホン変えて聴いたりEQの設定確認したぐらいです。普通、ここまで低音効かせることってないんじゃないんでしょうか?
ここから横道に逸れていきますが、「大音量で音楽流してるヤンキーの車」に遭遇したことってありますよね、なんか曲流してるけど「ボォゥン!」みたいな低音だけが聞こえる現象って体験したことないですか?あれはウーファーという低音専用のスピーカーで音を出してるからでで、低音が効きすぎるとそれ以外が聴こえづらくなります。
わかりやすい例がこちらですが、本場ジャマイカでサウンドシステム組み立ててる時の映像ですが、ヒップホップやベースカルチャーの歴史に興味ある人は絶対見ないといけない貴重なやつです。これの17:30ぐらいの音と18:30頃の音を比較してみてください。 www.youtube.com
で、こういうレゲエのサウンドシステムなんかだと「なるべく低音でデカい音を出すのがエラい!」みたいな風潮がある(らしい)のでいいんですが、普通のポップミュージックの世界では歌詞が聴き取りづらくなるようなレベルまで低音を利かせたりしません。
なので、「曲に迫力を持たせたいので低音は効かせるけど、でも聴きやすいようにする」ってのがミキシング・マスタリングのエンジニアの腕の見せ所だし、特にカムバ曲とかだとボーカルやメロディーラインが綺麗に聴こえるように処理するのが普通です。
が、このZimzalabimはそういう「普通」をガン無視し、市販音源としてはギリギリの、というかギリギリを目指して限界をややハミ出して警告食らいそうな低音を出してます。
率直に言って「やり過ぎ」と表現されるべきレベルだと思いました。レドベルぐらい売れても、ブレずに攻め続けるのが素晴らしいと思います。
でも、デカいウーファー積んだベルファイアとかでK-POP流しまくって夜道ドライブしたら絶対楽しいですよね。K-POP好きで車も好きで安全運転なヤンキーの友達欲しい(←)。
#3 Starry Kids - Side Effects
youtu.be
2019年6月19日にTLを騒がせた、もう1つの変な曲 エッジの効いた曲がこちらです。
どちらか片方を先に聞き、混乱している頭でもう片方を聞いて「今日のカムバは何?なぜこんな変な曲 エッジの効いた曲のカムバが続くのか」と困惑した人多いんじゃないでしょうか。私のTLではそういう人を5人ぐらい見かけた気がします。
この曲、リリース前に「新曲はサイケデリック・トランス」という話があり、K-POPとトランスってのがそもそも想像できず「マジか!」ってなってたんですが、まさかこういう感じで攻めてくるとは思いませんでした。
「サイケデリック・トランス」ということだったので、このジャンルの創始者かつ今だに第一人者であるRaja Ram*1という人をイメージしてました。こういう感じです。 最初の2分ぐらいまではウォーミングアップしてるので、3:45か、11:11ぐらいからを見てください。
なので実際の曲とはギャップがあり、この曲を最初に聴いた時「うわ、そうきたか!」と仰け反ってました。
なぜ、こういう音になってるかは、えりかさんが解説された記事があるのでこちらを読むのがオススメです。 www.cyzowoman.com
ちなみに「トランス」といってもその中には沢山のサブジャンルがあり、しかも全然違います。サカナクションもワンオクも矢沢永吉も同じロックだけど全然違う、ぐらいの差はあります。
さてこの曲、 「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ーーーーー!!モリ・アプ・ダ!!」っていうフレーズがあまりにも印象的で、変な曲扱いになってるかもしれないですけどライブで絶対盛り上がりますよね。どこでコール入れるべきかが超明確な曲って強いです。
ところで、JYPは3RACHAのラップスキルや才能をどうしたいんだ問題ありますよね。前回のMIROHは各所から不満が出てたような気がするのですが、今回は斜め上すぎてみんな忘れてたような気がします。次はどうなるんでしょうか。
ここまでで約5,000字....。エントリー分けます。次はこちらです。
*1:たしか80歳になる今年も世界中を飛び回ってるすごい人です。たぶんトランスのDJとしては世界で最も有名な人のひとり。